2021.03.01

ランニングコスト削減でまず下げておきたい電気会社

あなたの電気代の契約大丈夫ですか?

「電気代が10倍になる」。テレビやインターネットの報道を目にし、電気料金の高騰について不安に思っている方も多いのではないのでしょうか。

この問題は電力自由化により登場した新電力が提供する「市場連動型プラン」によるものです。
「市場連動型プラン」は日本卸電力取引所(JPEX)の市場価格に連動して電気料金の単価が決まるプランです。市場価格が高騰すると、利用者の電気料金も連動して高くなります。卸電力価格は通常8〜10円/kWh程度だったのが、2020年年末から上昇し始め、2021年1月中旬には150円台、関東エリアでは最高251円/kWhと通常の25倍まで高騰しました。
今回は寒波による影響や液化天然ガス(LNG)の不足などが高騰の原因でした。市場連動型は一般的な電気料金プランより安いプランでしたが、今回の電気料金の高騰によりリスクが顕在化したと言えます。
ただ、新電力のすべてが市場連動型のプランを採用しているわけではありませんので、まずは現在契約中の電気料金プランを確認してみてください。そして、この機会に電気料金の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

コスト削減を削減するなら電気代から

会社の経費を少しでも抑えたいと考えている方は多いでしょう。実は、数ある経費の中でも、電気代はすぐに削減できる間接費の一つです。特に、消費電力が大きい工場や商業施設等を経営する企業にとっては電気代の削減は大きなメリットがあります。
電気代を抑える具体的な方法を確認してみましょう。

①電気代の基本料金を抑える
②設備を省電力商品へ切り替える
③契約している電力会社を変更する

電気代の基本料金を抑える

毎月の電気料金は、契約電力のもとづいて計算された基本料金と、使用電力量によって計算された電力量料金に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えたものになります。

電気料金 = 基本料金 + 電力料金 + 再生可能エネルギー促進賦課金

そのうちの基本料金の仕組みは以下の計算式によって計算されます。

基本料金 = 料金単価 × 契約電力 × (185ー力率) ÷ 100

基本料金を抑えるには、この「契約電力」がポイントになります。
契約電力は直近12か月の使用電力量のうち、最も高い月の数値(最大デマンド値)が設定されます。使用電力量は30分ごとに計測されます。つまり、1年の中のたった1日、さらに1日の中のたった30分の平均電力値の一番高いところが基準となり1年間の基本料金となります。
そのため、電気代を削減するには単に使用電力量を減らすだけでなく、30分間のピーク値を抑えることも重要になります。

設備を省電力機器へ替える

機器を電力の消費効率のよいものへ替えることで電気代を抑えることができます。

◇照明をLEDに交換する
LEDは蛍光灯や白熱電球に比べると価格が高く、初期コストがかかりますが、寿命が圧倒的に長いため、交換の費用と手間を省くことができます。また、消費電力も少ないため、毎日の照明代を削減することができます。

・蛍光灯40Wの明るさに相当するLED照明が13.6Wの場合、約66%の消費電力削減
・白熱電球54W、LED電球7Wの場合、約87%の消費電力削減
○人感センサーや無線スイッチを導入する
人感センサーを備えた照明や、部分的に点灯消灯ができる無線スイッチなどを導入すると、点灯時間を短くでき、無駄な電力消費を抑制することができます。

契約している電力会社を変更する

電力量料金の単価が安い新電力会社へ契約を変更することで電気代を安くすることができます。
電力自由化以来、新電力は700社以上登場し、実際に新電力会社に乗り換えるだけで、電気代を大幅に削減している企業がたくさんあります。

新電力はどうして電気料金を安くできるのでしょうか、具体的には以下のような理由雨があります。
・自由料金が導入され、各小売電気事業者が自由うに電気料金を決められるようになったことで、ターゲットごとに独自のサービスが提供できる
・既存電力会社に比べ、大規模な設備投資の必要がなく管理費や人件費が安く済む
・宣伝力会社は他業界からの参入が多く、電力事業で大きな利益を追求する必要がない

お俺電力会社から新電力会社に切り替えると、「電力の供給が不安てになるのでは?」「電力の質が悪くなる?」と不安に思う方もいるでしょう。しかし、電力が供給されるシステム自体は変わりません。小売業者を切り替えても送配電ネットワークは今までどおり一般送配電業者が担当するため、電気の品質や供給は変わらないのです。

電力会社を変更するメリット・デメリット

新電力へ乗り換える際にはデメリットはないのでしょうか。ここでメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット1:電気料金が安くなる
新電力のほとんどが大手電力会社からの乗り換えを促進するために、より安い料金プランを出しています。
使っただけ電気料金を支払う完全従量制プランから、使用量が高くなるほど割引率が高くなるプランなど様々なプランがあります。
メリット2:好きな会社を選ぶことができる
二酸化炭素の排出量を抑えた発電方法をとっている電力会社や、環境に配慮したクリーンな再生可能エネルギーを多く使った電力を提供している会社もあります。
企業の価値観やイメージに合わせた電力会社選びをすることもできます。
メリット3:支払いを1つにまとめられる
全国各地に工場やオフィスがある法人は、複数に分かれていた電料金の支払先を、切り替えた電力会社のひとつにまとめられることも利点となります。新電力へ切り替えることによって、事務作業の負担軽減にもつながります。
デメリット1:電気代が高くなる可能性がある
新電力会社が増え、多種多様なプランがあるため、使用状況に合わない料金プランを選んでしまうと、逆に電気代が高くなってしまうことがあります。
契約前に、どのくらい電気料金が安くなっているか、料金プランを確認してシミュレーションをしてみましょう。
デメリット2:違約金のある電気料金プランに注意
新電力の中には、長期契約が前提となっていたり、決められた期間内や更新月以外で解約すると違約金を請求される場合があります。
契約する際には、契約期間や条件など内容をしっかりと確認する必要があります。

まとめ

会社でコスト削減に取り組むのなら、まずは電気代を見直してみましょう。

電気料金の削減方法
・電力の見える化ツールを導入して電気料金を抑える
・設備を電力消費効率のよいものに替える
・単価の安い電力会社へ乗り換える

無理をして社員のモチベーションを下げることのないよう、ポイントを抑えて、効果的なコスト削減に取り組みましょう。